「吸血桜殺人事件」完結です。
ここまで語られなかった真実も、こぼさず触れられていました。

再アニメ化リアル謎解きゲームの話題は別記事にて取り上げています。
週刊少年マガジン 2015年33号[2015年7月15日発売] [雑誌]

「吸血桜殺人事件」第12話

週刊少年マガジン 2015年33号

事件が終わり、美雪はミス研で猟奇事件の調査結果を報告していた。
しかし、そこには記されなかった真実を金田一は解き明かしていた。
そして最後に、金田一は葉崎栞の元を訪ね、冬部の真意を伝える。

前回の続き…からは少し時間を置いて、ミステリー研究会の報告会から回想する形でスタート。
でも美雪の報告を見ると、「話は聞かなかったことに」の言葉通り、真実を伏せたまま報告したっぽいですね。


■「鬼方桜柳」事件
大方の予想通り、と言いますか…
虎元勝男がサナトリウムに勤めていたもう1人の医師、藍染オーナーが入院患者でした。
第2話時点で、この真相を予想されていた方もおり、お見事です。

事件の時系列としては、
第2話で語られていた…看護師が鬼方桜柳の犯行を目撃し行方を眩ませたあと─
藍染を手に掛けようと再び現れたところを、虎元が助けるも口元に怪我を負う。
揉み合いの末、藍染が鬼方にとどめを刺し、鬼方の死体は桜の樹の下に埋められた─。

と言うのが真実だったようです。
なるほど、看護師が目撃した流れで鬼方殺害事件が起こっていたのだとしたら、なぜ死体が見つからなかったのだろう、というのは1つ疑問だったのですが。
それから時間を置いての事件だったのですね。
一度調べられた地点だから見つかりにくいだろう、と虎元も語っています。

絵東事件の前後、三夜沢に目撃されていたのも、やはり虎元その人でした。
また、自然と読み流していたけれど、鬼方を「亡霊」と呼んでいた、という根拠も納得です。


■冬部の償い
そして、こちらも新情報。
前回なにも無かったので「残念だ」と早まってこと書いちゃいましたが…
そもそも犯人に面会に訪れる展開が久しぶりですね。病院とかじゃなく拘置所に限れば、「剣持警部の殺人」以来かな。

いつき陽介の協力も得て調べた情報によると…
冬部自身も、15年前の事件を受けて両親が自殺。
その後、新聞配達のバイトの際に、記憶をなくし「葉崎栞」として生きる夏美に遭遇
人知れず彼女の家に毎月お金を届けていた。
弁護士の職に就いたのも、少年を非行の道から救うためだった、と。

なるほど、この行い自体は冬部らしい実直さも感じるのですが…
だったら何故、葉崎栞の犯行を裏で手助けするような行動に至ったのか、というのが悔やまれます。
真正面から向き合って名乗るか、それが難しいなら、
夜桜荘で葉崎栞と対面したときに事態を察して、絵東や斧田を連れて立ち去って欲しかった、とも思います。
(絵東と斧田には事情を話してさ。斧田も、事件との関係性を知ってまでちょっかいを出してくるような外道ではないだろうし)

うーん、やっぱりこの冬部まわりの動機はどう描かれるのか気になっていたし。
だからこそ、もうちょっと上手い落とし所があったんじゃないのかな、というのが正直な感想です。
事件自体は、以前も書いたけど、論理的に真相を導く趣きの変わった推理を要する内容で、面白かったです。(全然解けなかったけど…笑)


■新シリーズは、2ヶ月後!
と言うことで、これにて「吸血桜殺人事件」は完結。
次回は少し空いて、マガジン42号から新シリーズ開幕。カレンダーを見ると、9月16日(水)発売号です。
ちょうどTVアニメ新シリーズ直前…という頃合いですね。